【2025年版】停電・防災対策におすすめのポータブル電源|選び方と必要容量を徹底解説
近年、台風や地震などの自然災害が増加し、停電への備えがますます重要になっています。
実際に2024年の台風10号では、最大で約30万世帯が停電し、復旧までに3日以上かかった地域もありました。
停電時に最も困るのは、スマートフォンの充電と冷蔵庫の停止です。最低限この2つをカバーできる電源を準備しておきましょう。
本記事では、防災・停電対策に特化したポータブル電源の選び方から、実際の使用例、おすすめ機種まで詳しく解説します。
停電時に必要な電力量の目安
災害時の電力供給は「72時間(3日間)」を目安に準備することが推奨されています。この期間をしのげば、多くの場合で電力が復旧します。
最低限必要な家電と消費電力
停電時に最低限動かしたい家電製品と、その消費電力の目安は以下の通りです:
| 家電製品 | 消費電力 | 1日の使用時間 | 必要電力量 |
|---|---|---|---|
| スマートフォン充電 | 5-10W | 2時間×3回 | 30-60Wh |
| LED照明(3個) | 30W | 6時間 | 180Wh |
| 扇風機 | 30-50W | 8時間 | 240-400Wh |
| ノートPC | 30-60W | 4時間 | 120-240Wh |
| ポータブル冷蔵庫 | 40-60W | 24時間 | 960-1440Wh |
| 電気毛布 | 40-80W | 8時間 | 320-640Wh |
人工呼吸器や酸素濃縮器などの医療機器を使用されている方は、必ず医療機関と相談の上、十分な容量と予備電源を準備してください。
防災用ポータブル電源の選び方

1. 容量で選ぶ:最低1000Wh以上を推奨
防災用途では、以下の容量を目安に選びましょう:
- 最小限の備え:500-700Wh(スマホ充電と照明のみ)
- 標準的な備え:1000-1500Wh(扇風機や小型家電も使用可)
- 万全の備え:2000Wh以上(冷蔵庫も含めて対応可)
「普段使い」と「防災用」を兼ねられる1000-1500Whクラスがコストパフォーマンスに優れています。キャンプやアウトドアでも活用できるため、定期的に使用して操作に慣れておけます。
2. 出力で選ぶ:定格1000W以上が安心
停電時に使いたい家電の最大消費電力を確認しましょう:
- 電子レンジ(600W)
- ドライヤー(600-1200W)
- 電気ケトル(800-1200W)
- IHクッキングヒーター(1000-1400W)
これらの家電も使いたい場合は、定格出力1000W以上、瞬間最大出力2000W以上のモデルを選びましょう。
3. 充電方法の多様性
- AC充電(通常時)
- ソーラー充電(停電時の再充電)
- 車載充電(移動中の充電)
特に防災用途では、停電が長期化した場合を想定し、ソーラーパネルでの充電に対応したモデルを選ぶことが重要です。
詳しいソーラーパネルの選び方はソーラーパネルとの組み合わせガイドをご覧ください。
防災におすすめのポータブル電源5選
1. Jackery 1000 Plus - バランス重視の定番モデル
- 容量:1264Wh
- 定格出力:2000W
- 重量:約14.5kg
- 価格:約14万円
- 容量と出力のバランスが良い
- 最大5台まで拡張バッテリーを追加可能
- 10年以上の長寿命設計
2. EcoFlow DELTA 2 - 急速充電対応
- 容量:1024Wh
- 定格出力:1500W
- 重量:約12kg
- 価格:約10万円
急速充電技術により、約80分で80%まで充電可能。停電前の準備時間が短い場合でも安心です。
詳しいレビューはEcoFlow DELTA 2 実機レビューをご覧ください。
3. BLUETTI AC200MAX - 大容量モデル
- 容量:2048Wh
- 定格出力:2200W
- 重量:約28.1kg
- 価格:約20万円
2000Wh超えの大容量で、3日間の停電でも余裕を持って対応可能です。
4. Anker 757 PowerHouse - 長期保証
- 容量:1229Wh
- 定格出力:1500W
- 重量:約19.9kg
- 価格:約17万円
5年間の長期保証付きで、防災用の長期保管にも安心です。
5. PowerArQ Pro - コンパクト設計
- 容量:1002Wh
- 定格出力:1000W
- 重量:約10.4kg
- 価格:約13万円
1000Whクラスでは最軽量級。女性や高齢者でも扱いやすい重量です。
停電時の実際の使用例

ケース1:夏場の停電(3人家族)
- 昼間:扇風機2台(60W)、スマホ充電(20W)
- 夜間:LED照明3個(30W)、扇風機1台(30W)
- 必要容量:約1000Wh/日
1500Whクラスのポータブル電源なら、ソーラー充電と併用で3日以上の運用が可能です。
ケース2:冬場の停電(4人家族)
- 昼間:電気毛布2枚(120W)、スマホ充電(20W)
- 夜間:電気毛布4枚(240W)、LED照明(30W)
- 必要容量:約1500Wh/日
2000Whクラスのポータブル電源が必要です。灯油ストーブと併用すると電力消費を抑えられます。
防災用ポータブル電源の保管とメンテナンス
防災用品は「いざという時に使えない」では意味がありません。3ヶ月に1回は動作確認を行いましょう。
保管時の注意点
-
充電量は50-80%で保管
- 満充電や空の状態での長期保管は電池を劣化させます
-
涼しく乾燥した場所に保管
- 直射日光や高温多湿を避ける
- 理想的な保管温度は15-25℃
-
3ヶ月ごとに充電状態を確認
- 自然放電で容量が減るため定期的な補充電が必要
詳しいメンテナンス方法はポータブル電源のメンテナンスガイドをご覧ください。
防災グッズとセットで準備したいもの

ポータブル電源と一緒に準備しておきたい防災グッズ:
-
ソーラーパネル(100W以上)
- 長期停電時の再充電用
-
LEDランタン(USB充電式)
- 部屋全体を照らせる
-
ポータブル扇風機/ヒーター
- 季節に応じた温度調節
-
モバイルバッテリー
- ポータブル電源の補助として
-
延長コード・電源タップ
- 複数機器の同時使用用
よくある質問
ポータブル電源は何年くらい使えますか?
一般的なリチウムイオン電池搭載モデルなら、適切に使用・保管すれば7-10年は使用可能です。最新のリン酸鉄リチウム電池なら10年以上の寿命が期待できます。
医療機器も使えますか?
純正弦波出力のモデルなら技術的には使用可能ですが、命に関わる機器の場合は必ず医療機関に相談し、UPS(無停電電源装置)との併用をおすすめします。
まとめ:防災は日頃の備えから
停電・防災対策用のポータブル電源選びのポイント:
- 容量は1000Wh以上を基準に選ぶ
- ソーラー充電対応モデルを選ぶ
- 定期的な点検で常に使える状態を維持
- 普段使いで操作に慣れておく
防災用途なら「Jackery 1000 Plus」か「EcoFlow DELTA 2」がおすすめ。容量・出力・価格のバランスが良く、ソーラー充電にも対応しています。
災害はいつ起こるか分かりません。今すぐに準備を始めることが、家族の安全を守る第一歩です。